規約
ある日のレッスン中。
お友達が踊っている間は、他の子には課題を与えて練習しているはずでした。
もう、終わりの頃で、お迎えのお母様も来ていた時間です。レッスンも終わり子供達が集まって座っていたので、見に行ったら、スタジオの藤の椅子の紐を引き千切り、バラバラにして焼きそば〜。
って遊んでいました。
「あーあ!バラバラにしちゃったの?
誰がやったの?」
「ちょっとだけ」
「私もちょっとだけ」
悪そうに口籠る子供たち。
「みんなでやっちゃったんだ。
こういう時は、なんて言うんだっけ?」
ソフトにたしなめました。
「ごめんなさい」
「ごめんなさい」
楽しかったのだろうなー。
それぞれ、謝ってくれたので、椅子は直らなくなってしまったけれど、しょうがないかと許すつもりでした。
でも、一人、謝ってくれません。
「〇〇ちゃんは?なんて言うの?」
謝ってくれません。悪位と思っている様でもない様に見えました。
謝ったら良いというものでもないのですが、このままじゃダメ。後から伺った話ですが、彼女が率先してやっていた様でした。
「これは〇〇ちゃんの踊りに使う椅子だし、
藤でできていて、職人さんがもういないから、直せなくなるんだよ!
壊した事は謝らなきゃ」
少し強めに叱りました。
普通に使って壊れたなら仕方ないけれど、(普通に使っていて壊れたのなら、私の方が謝らなきゃですが)遊びで、修復不可能にしてしまったら、もう、(今の年だったら)ごめんなさい。言えなきゃ。
いつも、スタジオの壁の穴を塞いでも塞いでも空けてしまう子です。
壊れるからやめて!
いつも、そう言ってふさいでいるのですが、
彼女が萎縮せずに、スタジオの物を壊したらいけない事をわかってもらうために、根本的にお家で話し合っていただこうと、厳し目の規約を作り、配布しました。
話し合ってくだされば、小学生なので、理解できるだろうと思いました。
次に来た時に、改めてごめんなさい。
と言ってきたので、
この壁も穴あけたら、大人なら、器物損壊になるんだよ。と言ったら壁を蹴りながら
「ここはいいの。」
返ってきました。
萎縮させないで、壊したらいけない事を理解してもらうことが目的だったので、
「ここも、ここもダメなの。ほらほら、蹴飛ばして壊れたら、そこも、器物破損。」と冗談めかして言って、レッスンを始めました。
子供の頃、近所に
「あっかんでーのおじさん」
と呼ばれる方がいらっしゃいました。
男の子たちは、悪いことをしていると、おじさんに「そんなことしたらあかんでー」とたしなめられるので、「あっかんでーが来た!」って言って、逃げていく事もありましたが、お祭りで率先して、子供神輿を引き回してくださるあっかんでーのおじさんのことが、みんな好きでした。古き良き時代?
そんな事も思い出しながら。
HPの概要の生徒募集要項に、スタジオの備品を故意に壊さない事を入れました。
発想は素晴らしくて、面白い子だけれど、スタジオの物は大切にしてほしいなあ。
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